この8年間で3つのファッションブランドの世界進出を支援した経験に基づき、成功に繋がった戦略、非効率だったアプローチ、そして注意すべき詐欺事例と対策について、具体的な教訓を共有します。
🚀 成功に繋がった効果的なアプローチ
1. デザイナーと顧客の直接対話(POPUPショップ活用)
初期のデザイナーは、しばしば「作りたいもの」と「顧客が求めるもの」の間にギャップを抱えがちです。このギャップを埋めるための最良の方法は、デザイナー自身が店頭に立ち、顧客の意見を直接聞く機会を持つことです。
これは単なる販売機会ではなく、戦略的な市場調査の場です。この生の声を聞く経験は、のちに世界のファッション・ウィークやショールームでのバイヤーとの対話に活かされ、より具体的かつ売れるコレクション開発へと繋がっていきます。
2. 「公式」アワードとファッション・ウィークへの挑戦
SNSのフォロワー数(特に購入されたフォロワー)は、もはやブランド価値の信頼性を示す指標にはなりません。世界で通用するブランドとして認識されるためには、権威ある公式のアワードへの応募や、年に2回開催される公式ファッション・ウィークへの参加が不可欠です。
これはブランドの「地位」をワンランクアップさせ、世界のメディアやバイヤーに対する認知度と信頼性を飛躍的に高めます。実体験として、これらを経験した後の周りの反応や売上への影響は明確に測定できました。
3. 世界のメディア・バイヤーとの直接的な繋がり
公式ファッション・ウィークに参加することで、参加する世界のメディアやバイヤーのリストが無料で提供されることが多々あります。また、主催者側のネットワーキングパーティーへの参加権も得られます。これらの場で、積極的に自分のスキルやブランドのストーリーを伝え、繋がりを作ることが、後のプロモーションや受注に大きく影響します。
📉 意味がなかった非効率な方法と教訓
1. SNSのフォロワー購入
InstagramやTikTokのフォロワーを一時的に増やしても、それが売上やブランド価値の向上、真のフォロワー獲得に繋がったケースは一つもありませんでした。重要なのは**フォロワーの「量」ではなく、「熱量」と「濃さ」**です。フォロワーが少なくても、毎月安定した売上を上げるブランドは、応援したくなるストーリー(例:ファッション・ウィークやアワードへの地道な挑戦)を通じて、熱心なファンベースを築いています。
2. 権威ある雑誌の広告と非公式なイベントへの参加
VOGUEなどの雑誌の後ろの広告欄に出稿した後、すぐにSNS経由で届くDMの中には、「公式ではない」ファッション・ウィークやショールームの運営会社からのものが紛れ込んでいることがあります。
非公式なファッション・ウィークへの参加経験もありますが、動員された観客(サクラの可能性あり)は多かったものの、結果として実ったビジネス案件はゼロでした。時間と費用を浪費しないよう、必ず「公式」かどうかを確認する手間を惜しむべきではありません。
🚨 騙された事例と騙されないための防御策
1. 詐欺事例:即時・先行一括での高額支払い要求
最も注意すべきサインは、「お金を先に、とにかく早く欲しがる」業者です。一度騙されたケースでは、「その日中に3回に分けてお金を振り込め」という指示があり、約7,500ポンド(当時の日本円で約130万円)を支払った後、3ヶ月間一切連絡が取れなくなりました。
実績と歴史のある優良なパートナー企業は、原則として、請求書発行後の後払いで問題なく業務を遂行してくれます。請求書発行から支払いまでの猶予があること(例:30日後)が、その会社の信頼性の一つの目安になります。
2. 詐欺事例:インフルエンサー貸出と商品の紛失
あるインフルエンサーに貸し出した約3,000ポンド相当の商品が、返却されなかった事例もあります。これは、契約の甘さからくるものでした。
3. 騙されないための防御策
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